3年ぶりに再会したのはいいものの、結構苦戦しているこのプロジェクト
冬休みに宿題として取り組みましたが、なかなか完成せず。
前回 2月頭に途中報告をしてはや2カ月。更新するのが遅れてしましました。
自分の個人的な活動と二男の高校受験が重なりまして、ちょっとテンパリ気味でしたので、
更新が遅れたことご容赦ください。
前回、リニアテクノロジー社から無料で提供されている、LTSpiceで整流回路と安定化レギュレータIC
LM317の動作説明まででした。
このとき、負荷が1KΩでしたので、実際の設計負荷の最大2Aまでのときにどういう動作になるか、
ということと、電流検出ICLT6106を使った電流制限回路の動作はどうかというところまででしたね。
それでは、この辺を確認したいと思います。
まず、負荷を0.1A~2Aまでステップシミュレーションで動かしてみましょう。
まず、基本的な動作を確認します。
下記の回路です。
前回は、LM317の出力電圧を決める抵抗R2はステップで可変していましたが、今回は2.2KΩ。
12V 出力の設定です。
今回、電流検出ICLT6106を使った電流制限回路の動作は1Aで制限しています。
この部分の説明は後で行いますので、いまのところはそのように了解して下さいねー。
一方、前回は1kΩで固定であった負荷抵抗は、ステップシミュレーションで可変にしています。
画面中央上右側のR13 ですね。{Rf}がステップシミュレーションの記号です。
パラメータは、上に示す①1KΩ、②100Ω、③24Ω、④12Ω、⑤6Ω、⑥3Ωですから、
それぞれの負荷で、電流は①24mA、②120mA、③500mA、④1A、⑤2A、⑥4Aの設定になります。
今回、1Aで電流制限をかけていますので、うまく動作するでしょうか?電圧の安定度は?
というシミュレーションです。
さあ、さっそく行ってみましょう。
まずは電圧値。
シミュレーション結果です。
① 24mAで12.2V、②120mAで12。2V、③500mAで12V、④1Aで11.8 ⑤2Aで6V
というところでしょうか?
次に電流値も確認します。
青のプロット表示が電流値です。
① 24mAで24mA、②120mAで120mA、③500mAで500mA、④1Aで1A ⑤2Aで1Aです。
電流制限は設定の1Aでスパッとキレている様ですね。
電圧変動が、若干多いのが気になります。
しかし、おおむね意図通りの動作をしているようでホッとしました。
④の時の動作は、シミュレーションに負荷がかかるようで、途中です。(⑤まで行き着きません)
が、動作はほぼ解析できていますので、問題ないでしょう。
レギュレーションが悪い問題を考えます。
今回、LM317の最低出力電圧1.25Vをキャンセルするために、ダイオードの潤電圧Vf 0.6VとトランジスタのVbe0.6Vを併せて1.2Vでキャンセルして、0Vから出力できるように設計しています。
しかし、VfもVbeも電流によって変わりますので、思惑どおりに言ってないようです。
ためしに、ダイオードとトランジスタを外してみましょう。(出力電圧は若干高くなります)
下記の回路図ですね。
まずは電圧値。
今度は、500mAまで、ほぼ±0.1V内に収まっています。 1Aで制限がかかって落ちています。
やっぱダイオードやら入れない方が、レギュレーションいいですよね。
0Vスタートはあきらめましょうか?
次に電流値を見てみましょう。
こちらも1Aでピッタンコ電流制限がかかっています。
このようなシミュレーション結果になりました。
結構、思惑通りの動作でちょっぴりドヤ顔です。
(実際はR12にポリスイッチで保護を入れましたので、この抵抗がレギュレーションに多少影響すると思われます)
次に、電流検出IC LT6106を使った電流制限回路の動作の説明に入ります。
なんか、会社の仕事みたいになってきましたねw
まずは、リニアテクノロジーさんのHPからデータシートをDLします。
LT6106 – SOT-23パッケージの低コスト36Vハイサイド電流センス・アンプ
最近は、秋月電商さんでもあつかっているようです。
ハイサイド電流センス・アンプIC 1mA LT6106CS5
自分は無償サンプルでもらいました。 マニアでもサンプルくれるんですね、この会社。
さてさて、閑話休題:
サンプル回路です。
左上の電流検出抵抗が0.02Ωの時に、200mA/Vの出力が出るんですね、このIC。
今回、0.1Ωを電流検出抵抗にしましたから、1A/1Vの出力になります。
つまり、1Aで電流制限をかけたければ、コンパレータを使って、1V以上になったら
LM317の出力をオフってやればいいわけです。
2Aなら、2Vです。簡単ですね。
それが、下記の回路です。
右下のIC LT1017(U2)がコンパレータ 日本無線ではNJM2903 になります。
電源は5Vにしていますので(ここでは電圧源)、コンパレートする基準電圧をR3とR7で分圧して
つくってます。5Vx2K/(2K+8K)=1Vですね。
シミュレーションのため、固定抵抗を使ってますが、実際は可変抵抗を使います。
中央のLT6106の出力が1V以上でると、電流が1Aを超えたということで、U2がオフになり
左端のQ3 2SC4081をR8 2.2KΩでオンしてLM317の出力をオフるという回路構成です。
リニアにフィードバックがかかっているわけではなく、いわゆるバンバン制御ですが、シミュレー
ションでは問題なく動作していますね。
大きなCR時定数がはいればうまくいきませんが、今回は電流検出からダイレクトに制御していますので
OKのようです。(R1 220ΩとC4 10uFが時定数です)
ここまでが、今回の安定化電源の動作のキモです。
大分、ココまでの説明で、疲れて来ましたね。焼酎でのエネルギー補給が必要のようですw。
次回は、実際の安定化電源で動作が思惑通りに動作しているか、オシロで動作を解析して
説明できましたら、最終回としたいと思います。
余裕があれば、Bschで書きなおした最終回路と部品リストの説明もしたいと思います。
最近はデジタルばやりで、この辺のアナログ電源の説明も少なくなってきましたね。
参考になる資料が少ないので、正直 若干困ってます。
おやおや、愚痴になりました。 もうこの辺で終わりましょう。
それじゃ、おやすみなさい