さて、予告どおりラジオ少年のヘッドフォンアンプキット HP-AMP-1の実機での確認を行います。
前回 TINA7のシミュレーションで、6U8のSRPP回路の出力インピーダンスが仕様の300Ωではなく、
衝撃の2KΩという事実が発覚しました。
別にインピーダンスがマッチングしてないと、周波数特性が悪くなる、ってこともないので
気にすることもないのですが、この方式のSRPP回路、原理的にそれくらいの出力インピー
ダンスであるみたいです。
でも、あくまでもシミュレーション。実機で確認しないと、アナログ人間のトドお父さんだけで
なく、皆さんも納得できないと思います。
ファンクションジェネレータで信号を入れて、出力をオシロで確認してみましょう。
どうせ、カゼをひいていて暇なので(爆)
持っているファンジェネで出力を一番絞っても、0.5Vp-pです。
計算値の20倍弱だと、入力電圧0.5Vp-pでは出力 10Vp-p位になるはずです。
シミュレーションでは無負荷での出力が2Vp-pでした。
そこにヘッドフォンの負荷300Ωをつなぐと、 出力0.22Vp-pまで落ちてしまいました。
この辺を確認してみたいと思います。
まず、無負荷で1KHz 0.5Vの信号をRCA端子から入力しました。
上が入力信号、下が出力です。 上のレンジはひとます0.5V、下のレンジは5Vです。
横のひとますは0.2uS、一周期 5ますなので、1mS=1000Hzです。(1秒に1000回)
出力を見てみると、”オー、10Vp-p! 計算どおり” トドお父さん、ドヤ顔です。
古いオシロなので、カーソルなんかはでません、目分量です(藁)
次に、300オームの抵抗を出力に接続します。
” あ”-、1.3Vp-pに低下 ” なんと、ゲイン ≒20倍 ⇒ ≒ 2.6倍に低下しますた。
こーーんなはずはない。 おいおい、シミュレーション結果は!?
シミュレーションの出力は、220mVでしたが、このとき入力は100mVでした、ガーーン。
あっているではありませんか! こんなにゲインが低いとは思いませんでした。
でも、真空管 本来の出力インピーダンスは電流値も小さいので、数十kΩあるはずです。
SRPP回路とは、それを、増幅率 μ で2KΩに落としているのです。
要は、電圧なり、電流なり、真空管は増幅しているということです。
自然現象に近い技術なので、ブラックボックスではなく、切り口を間違えなければ、
理解は直感に従いますので、比較的に容易です。
続いて、周波数特性を確認しましょう。
10Hz/100Hz/1000Hz/10kHz/100kHz の5種類で測定します。
まずは、10Hz
次に100Hz
次に10KHz(1KHzは先ほど表示したので省略)
100kHz のもともとのシグジェネの入力信号がなまってます。
高調波を大量に含む矩形波を入力すると、アンプの特性、大体分かります。
立ち上がりや立下りに変なリンギングや鈍り、ノイズ等がなければ素直な特性です。
この波形を見ると、音のよさに納得です。
矩形波、10Hz~100kHzまできちんと再現できてます。
10Hzの波形が変なのは、回路上DCカットしているのにDC成分が入るからで、
正弦波だと振幅も十分 問題なし。
ハムノイズもまったく出ませんし、ノイズも少ない。
そこで、読者(いるのかな?)に質問。
Q:300Ωのヘッドフォンで1W出力するためには、何Vの出力電圧が必要でしょうか?
でも、トドお父さんの脳みそが沸騰しそうです。お酒がこれだけ入ってるのに、仕事みたい
逆にお酒が入ってるから、できるのかな? シラフでは仕事の残業みたいでイヤですね
またの機会に、きちんと勉強しましょう。 ヘタレだから無理かな?
A:P(電力)=(E(電圧))2/R(抵抗値)。 1=300x(E)2 E= SQRT(ルート)(300x1)
E=17.3V でした。 果たして、トランジスタのアンプで17V出せるでしょうか?
これが、ゼンハウザーのヘッドフォンHD650を駆動するには高電圧の素子を使わねば
ならない理由です。(OTLではなく。出力トランスを使用すれば、事情は別ですが。)
真空管ヘッドフォンアンプの存在意義、うまく、まとまりました。
今日の講義はこれでおしまい。(すこしドヤ顔です)
おっと、オーディオをやっているなら、理論ひねるより音楽を聴くほうが大事ですよね。
今日は、年甲斐もなく加藤ミリアです。
彼女、若いのにスピリッツが感じられていいですね。
音の裏づけも取れたから、安心して聴くことができます。
ラジオ少年 原さんお勧めの 中島みゆきも聞きたいのですが、残念 CDがありません。
代わりにミーシャのEverythingを聴きました。 これもいいですねー
ゼンハウザーのヘッドフォンHD650に、この真空管ヘッドフォンアンプの組み合わせ、ばっちりです。
女性ボーカル達が、(男性ボーカルも)今まで聴いてたより、 一段とつやっぽくなる感じです、
エージングを重ねるごとに見違えるようです。(アンプもエージングが必要のようです)
それでは、おやすみなさい。
ラジオ少年 キットコナーw http://www.radioboy.org/kit/index.htm